第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
カラ松につかまりながら、空中を漂う。
屋台の灯りが一本の筋のように道を照らす。
歩く人の群れはどれも楽しそうで、みなお祭りの戦利品を持って笑顔に溢れていた。
「今さらなんだけど、これ人に見られたりしないの?」
私の問いかけにカッコをつけはじめるカラ松。
「ノープログレムだレディ、俺とレディの愛のサンクチュアリをだれにも見せたりはしないさ!」
「....」
「何故無言なんだレディ!」
うん、わかったもう深く聞かないようにするわ。
「それよりレディ、空からみんなを見つけるのは至難の技のように思えるのだが?その足では歩くのは辛いだろう?」
「例えそうだとしても、抱えられながらあの中を歩くのは嫌だからね」
恥ずかし死にするわ!
それに、私にはわかってるから。
「大丈夫、絶対すぐ見つかるから」
私が笑ってそういえば、不思議そうな顔をする。
「あっ.... ほら?ね?」
私は指をさす。
その先にあるのは四色の光。
赤、緑、黄、ピンク
それぞれが、どの祭りの光よりも綺麗に輝いている。
紫が見あたらないのが、少し寂しいけど....
でもきっとすぐに加わるから。
「レディ.... 美しい導きの光だな」
ポツリとそう溢せば、私はふふっと笑う。
「たしかに、導きの光だね」
あの光の下で、きっとみんな笑って待ってくれてるんだ。
「レディ、降りるぞ、しっかりつかまっててくれ」
なら私達も笑ってその場所へ行こう。
みんなの待つ場所へ