第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
いつのまにかうつってしまった一松くんの口癖。なんかわかんないけど、本当にこの一族に染まりつつある自分がどうなんだろうと考え込んでしまう。
「あれは.... そう.... 俺がジャパニーズフェスティバルに向かおうとする時に.... 我がマリアより天の声が聞こえてな....」
毎回思うんだけど、こいつなにいってんのかサッパリわかんない。
いやわかるときもあるけど、それを解読できるようになったら負けたような気がする。
「俺に語りかけたんだ.... そのジャパニーズ伝統の衣装では、俺が神々しく輝き過ぎてしまうと.... な.... 」
激しく理解したくないけど、意味がわかってくるからもうやだ。
「帰っていいすか?」
「....えっ!!」
これを解読できるようになったら終わり。
これを解読できるようになったら終わり。
あぁ、もうダメだ。
意味がわかる、だからもうダメだ。
そういや最近イタ松ベットでも、なにごともなく寝れるようになっちまった。
最初の頃は、夢の中に大量のイタ松が出てきてぐるぐると私の周りをまわってたり、天使の格好したイタ松がキューピッドの矢を持ちながら
「俺とお前はディスティニーなんだぜ?バーン」
とかわけわかんない台詞を、いい続けてくる悪夢にうなされたりとかしてたのに。
今ではそんなことなくぐっすり眠れるようになったし。
終わりだ。もう終わりなんだ。
「レ、レディ?真っ青な顔してどうした?具合でも悪いのか?」
心配そうな顔したイタ松が、私を見つめてくる。
おもに原因はこいつのせいなんだけど....