• テキストサイズ

【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー



「....どうする?」

にたりと笑った顔がまた怖い。
悪魔だ。悪魔がおる。

「こ、これで勘弁してください!」

そう言って財布丸ごとを一松くんに渡すと、男は逃げるように退散して行った。

「....ねぇ?一松くん?激しく聞きたくないんだけど何を言ったの?」

「....別に、かき氷弁償してって言っただけ」

財布をポンポンと空中に投げながら、にたぁっとする。
その含み笑いは何なんだ!
ヤバイ、ヤバイ人....いやヴァンパイアだ!

それにしても、何故に彼はここにいるんだろうか?首を傾げていたら、明らかにキョロキョロし始める一松くん。

「....違う、オレの目的はあれだから」

ぴっと指を指した先にあったのは、マグロの串焼きだった。

「.... この祭りでしかでてこないから.... アルが食いたがってた.... ただそれだけ....」

たしかにマグロの串焼きなんて珍しいけど、本当にそれだけだったんだろうか?

「いいな、美味しそう。私も食べたい。」

ポツリとそう溢す。
するとじいっと一松くんが私を見つめた後に、スタスタと屋台まで歩いて行った。

なんとなくその後を追う。

「おっ!兄ちゃん!今年も来てくれたんだね!!」

威勢のいいおじさんの声が響く。
今年もってことは、じょ、常連!?

「....いつものと、人間用も」

いつもの!?なにそれ、言ってみたい台詞だよ!それは!
てゆーか人間用って何!?
/ 682ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp