第4章 緑色の異端な光
「異端....?」
首を傾げて訝しげな顔をする。
「そう、僕はね異端なんだ」
凄く悲しそうな顔をするチョロ松くん、なんかこっちまで悲しくなってくる。
「なにが異端なの?あっ嫌なら無理して話さなくていいからね」
少しの沈黙
悪いことを聴いてしまったのかもしれないや、と思ってる矢先にチョロ松くんはゆっくりと口を開く。
「僕らは、ヴァンパイアだ。闇に生きる生き物、人間を襲い、血を飲み生きる畏怖されるべき存在なんだよ。」
穏やかな口調だけど、悲しげな声が顔が私に悲しい気持ちを連れてくる。
「僕らにはね、それぞれ力があるんだ。特別な他のヴァンパイアと違う力がね。
だから他のヴァンパイアからもひいきな目でみられてる。一目おかれてるっていう感じかな。でも.... 」
少しだけ間が空く
「....僕の授かった力は人を癒す力だった。」
「それの、なにがいけないの?」
眉を八の字にして、力なく微笑むチョロ松くん
「おかしいだろう?人に畏怖されるべき存在が人を癒すなんてさ?滑稽にもほどがある。
だから僕は異端なんだよ。
他の兄弟は皆それぞれ畏怖されるべき力を持っているのに、僕だけ人間を傷つけるとか惑わす能力がないんだ。
だから僕はこっちの世界では異端なんだよ。」
顔は穏やかだ、口調も、でも握る拳は穏やかではない。
きっと今まで辛いことをたくさんたくさん言われてきたんだと、嫌でも伝わってくる。