• テキストサイズ

【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー



「あっ....イタ松回収しないと。」

すっかり存在を忘れ去っていた、痛い人物を思い出す。

「なに鈴音ちゃん?あっ!最初の痛い彼女演出で思い出したの?」

ぐはっ!

「鈴音ちゃーーーーーん!!!」

地面に倒れ付す私を抱き起こす十四松くん。
それを見ながら、すっごい楽しそうに笑うトド松くん。

「うん、やっぱそっちのがいーよ」

私の一言にキョトンとするトド松くん。
なにかを感じ取ったのか、そうだよそうだよと笑う十四松くん。

「さてと....んじゃイタ松探しに行ってくる、その前に」

ほこりをパンパンとはらいながら、目の前の屋台で立ち止まる。

「ど、どれにします?」

と屋台で困ったように微笑むお姉さん。
まぁ、店先で喧嘩されたらねぇ?

たくさん浮いているジュース、どれもこれもキンキンに冷えていて美味しそうだ。

そんな中で目に留まったものは、とても懐かしのもの。

手掴みで氷に浸かったラムネを2本引っ張りだし、お姉さんにきちんと謝った後に、お金を渡した。

2本のラムネを二人の前にずいっと、押し出す。

「え?なに?」

「ラムネだぁぁー!!!しゅわっしゅわっでっせーーー!!!!」

喜ぶ十四松くんと、困惑するトド松くん。

「下駄!ありがとね!」

ちらっと裾をめくって、古典柄の蝶が舞っている下駄を見せる。

「履いてくれてたんだ....」

にこっと笑って嬉しそうにするトド松くん。

「とゆーことは!鈴音ちゃん僕ともトッティともお揃い!」

はしゃぐ十四松くんを見ながら、大きく頷いてそうだよって笑った。
/ 682ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp