第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
「あ、あれはまずいや」
走る先に異様な力を感じる、耳元に感じるひんやりとする空気。
本当に用意周到だこと。
馬鹿松のくれた金魚が何かしら反応している。
本当に毎回毎回思うんだけど、あいつって嫌な奴だよね。
「助けられてばっかりだわ」
ポツリと溢す言葉、口の端がにやっとあがる。
急いでトド松くんのもとに走れば、トド松くんを見つめたままポヤンとする二人の女の子。
予感は適中、本当に懲りないよね。
まぁ、私もイラついてるからその気持ちはわかるけどね。
そっと後ろから近づいて目をおおい隠す。
「だーーれだ!!」
大きな声で叫ぶ、その瞬間ぱちんと解ける憎しみの魔法。
「鈴音ちゃん....」
目を覆い隠したまま、うふふと笑う。
「もう!トッティ違うよぉ、トッティのか、の、じょ、でしょ?」
あっ、やべぇ、吐き気してきたわ。
「「えっ!!!?!」」
その場にいた三人が一声に声をあげる。
「と、トッティ~、鈴音~トッティのことぉ~ちょー捜したんだからぁ~」
しまった、このキャラは痛い痛すぎる。
はうわっ!自分でやっててあばらがやべぇ!
「鈴音ちゃん、ど、ど!?え!?いや!?うん!鈴音ちゃんだよね!?!」
..... こうなったらヤケだ。
「も、もう!そうに決まってるじゃん!
トッティいないから鈴音泣いちゃったぁ!!
ねぇ?この【ブス】どもなに?」
とりあえずブスの所だけは、強調しておいた。
ものすっっっごい、おっきいおっきい声で