第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
「もー!トド松くんたら!」
「ほんと!トド松くんに会えてラッキーだよぉ」
僕の周りを二人の女の子が囲む。
んふふ、今僕ね両手に花状態なんだ。
まっ!人間を虜にするなんて僕からしたらお手のものなんだよね!
ウィンク一つするだけで、キャーキャーゆう二人。
本当....
人間って単純だよね。
まぁいいや、今夜のご飯も釣れたし!
ひさひざに輸血じゃない血液を頂くとしますか。
なんだったら、十四松兄さんになら分けてあげてもいい。
まぁそう言っても、たぶん十四松兄さんは要らないって言うだろうな。
優しいから....
しかも鈴音ちゃんまでいたとしたら、絶対厄介だよね?
返してきなさい!って言われそう。
あっ、お店とかのお菓子とかじゃないか?
まぁでも僕からしたらそんなようなもんなんだよね。
人間なんてさ?
「そうだーさっきねー、変な人みたのー」
ぼんやりとそんなことを考えていたら、女の子AがBに話しかける。
「へー?どんな人?」
「それがさ!野球馬鹿って書いてある甚平着てた人なんだけどさ!」
....それって?
「なんかね、お祭りのキラキラしたやつあるでしょ?あれ大量に買っててさ!」
「えー?それ子ども??」
耳障りな声が響く。
「違う違う、成人男性だよあれは!」
「マジで!?うわーひくわー」
大声でよく、そんな酷い言葉吐けるよね。
「いやいや、それだけじゃなくてさー猫耳の光るやつあるでしょ?あれを六色も買ってんの!それで、もうお金ないやーって言ってたの!」
十四松兄さん....
みんなのぶん買ってくれたんだね
きっと、ニコニコしながら買ったんだ。
僕にはわかるよ....
「なにそれ、変なのーぜっったい一緒に歩きたくない!」
「同感ー」
ほら.... 人間ってさ
本当に....
醜い生き物だよね....
だから....
キライナンダヨ....