第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
さて...
後は、あざと腹黒ドライモンスターとイタ松だけだ。
「鈴音ちゃん!他のみんなどこいったんだろーね!?」
天使を見つけたから、正直のところ他をほったらかしにしても大丈夫だろうけども....
いやしかしなぁ、イタ松はともかく腹黒ドライモンスターは回収しないといけない。
周りが危ない、なんせ奴は歩く媚薬だ。
「十四松くん、ドライ.... じゃない、トド松くん見なかった?」
私は藁でもすがる思いで十四松くんに尋ねた。
まぁ、知っていたなら二人一緒にいるはずだし知らないよねなんて思ってたら。
「見てないけど、今見つけたよー?」
そう言ってリンゴ飴を前の方に向ける十四松くん。
提灯がたくさん揺れるなかで見つけたのは、ピンク色の甚平を着る人物だ。
古典柄、しかも蝶....
まちがいないな
「あれトッティだよ!僕の一緒に選んでくれたのトッティだもん!一緒に買いにいったからわかる!」
両手をあげてそう教えてくれる十四松くん。
なるほど、だから二人は甚平なんだね、と笑って言うと十四松くんは嬉しそうにうん!っと言った。
見つけたのはよかったんだけど、問題が一つ浮上した。
トド松君が一人でないということだ。
「あれ、絶対女の子ひっかけてるよね?邪魔したら殺されそうなんだけど.... 」
「やるな!トッティ!」
笑いながらそういう十四松くん。
かたや頭を抱える私。
ここで邪魔をするべきか否かを考えながら、とりあえず尾行する。