第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
「みーつけたっ!!!」
私はそう言って、キラキラしている人物を捕まえる。
「うわー!!ビックリしたー!!!」
大きな声が響いた。
ああ、よかった一番心配していた人物がわりと早く見つかったことに安堵する。
お祭りで売ってる光る腕輪とかしてくれててよかった。
死ぬほど目立つもんね。
まぁ、限度もあると思うけど....
両手両足に10個づつ
黄色い光る猫耳までつけちゃって....
まぶしいわ.....
可愛くて!
そんなことを考えていると、大きな口がぱかっと開く。
「鈴音ちゃん!!僕ビックリしたよー!!」
あぁぁ!!!
可愛い!!
癒されるぅぅ!
.... いや、ダメだ。顔に出さないようにしないと
さすがに今回はダメ
「十四松くん、チョロ松くんがはぐれてたの心配してたよ?」
「えっ!?そうなの!?僕はぐれてたの!?全然気づかなかったぁー!へーこーみーマッスルマッスル!」
んー、そっかぁ気づかなかったかぁ、なら仕方ないよね!
..... ダメだ、松坊っちゃん達の中で十四松くんにだけは唯一勝てそうにない。
「もう、仕方ないんだから十四松くんは」
「でも、鈴音ちゃんが迎えに来てくれたから僕嬉しい!」
満面の笑みで両手をあげながらそんなこと言われるんですよね。
....勝てるわけないよね?
こんな純粋な天使に勝てると思う?
無言で下を向いていると
「あ、あぁ.... ごめんね、僕お祭りに来れたの凄く嬉しくて」
しょぼんとする姿が、もうダメだ。
萌え死ぬ.....