第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
チョロ松くんと離れた後、私は人混みに紛れながら馬鹿×二人と十四松くんと腹黒あざとモンスターを探す。
いい歳(推定100歳は越えてる)をしてはぐれるとか本当に情けないやつらだ。
カランコロンと下駄を鳴らしながら、出店を通り抜ける。
それにしても色々あるな、りんご飴に、焼きそばに、とうもろこしに、唐揚げに....
って食い物ばっかりじゃん!
そんなツッコミをいれていると、目の前に現れるのは射的屋さん....
ウズッ....
ヤバイ、うずいてきた....
何故か昔から射的とかが好きな私にとって、それは魅力のある出店だ。
いや、でも!
馬鹿と馬鹿と天使とあざといを連れ戻さないと、連れ.......
ん?
射的の出店をよく見ると、見知った顔の野郎がじいっと銃を持って構えていた。
私はつかつかとそいつに近寄っていき、真後ろに立つ。
銃を向けるのに集中しているのか、私には全く気づかないようだ。
ぱちっと目が合うのは、ちょっと顔がいかつい系統の射的屋のおやじさん。
人指し指を唇に押しあてて、合図をおくる。
何かを察してくれたらしく、目で頷いてくれる。
ヤバイ、渋いなおやじさん。
ここだなとポツリと独り言を発するそいつ。
どうやら狙いが定まったらしい....
引き金に手をかける。
それと同時に利き手を少しだけ上にあげた瞬間、その野郎の頭に軽く降り下ろす。
スパンっといい音がなり、弾はみごとに外れた。