第4章 緑色の異端な光
輸血をしてこれで、完了。
幸いここには山ほど血液のストックがある。
A型、B型、O型、AB型、さすがにボンベイ型とか物凄く珍しいのはないけど。
まぁ、ヴァンパイアの家なんだしないと困るんだけどさ
変な話だけど僕たちのご飯だしね。
「それにしても、顔色が悪すぎる」
輸血はしてる、消毒も
手当ては完璧だけど
これだけじゃ、ダメかもしんないな....
寝苦しそうだったので、結っている髪の毛のゴムをそっと外しながら考え事をしていた。
さらさらの髪の毛が、自分の手に絡みついては砂が落ちてくみたいに手の隙間からこぼれ落ちていく。
綺麗な髪だな、ふとそんな事を思いながらクルクルと鈴音ちゃんの髪の毛を弄ぶ。
ピタッと手を止めて、そっと頬に触れる。
....冷たいな
あんまり使いたくなかったけど、このままじゃ鈴音ちゃんが持ちそうにない。
僕は自分の手のひらをじいっと見つめた後に、1つため息をつく。
仕方ない....
指先に力を集中....
力を開放させる....
これ疲れるし、正直あんまりいい思い出なんてないんだけど....
十四松と一松に助けると約束したから、そんなこと言ってられない。
緑色に淡く光を発する指先を、そっと鈴音ちゃんの首にあてる。
目をつむって、ひたすら修復するイメージをつくる。
これ一個貸しだからね、おそ松兄さん....