第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
そんな、こんなで、五色マイナス一色の浴衣を見つめながらため息をついていた。
どれも甲乙つけがたい。
トントントン
ノックの音がきこえる。
一つだけ言えることがある、90パーセント六つ子の誰かじゃない。
何故か?
うん、だって皆なにも言わずに背後から現れるもん。
ちなみに残り10パーセントの確率はチョロ松くんね。
まだ常識があると願いたい。
「鈴音様、松代でございます。」
はい、ビンゴ!
なんて思いながらどうぞと声をかける。
「松代さん、こんばんわ。この間は本当に申し訳ありませんでした。」
この間というのは、十四松くんに湖ぼちゃんされた日のことだ。
湖ぼちゃんの後に、すぐ熱が出て十四松くんに看病というなの大変な目に遭わされた。
うん、聞かないで。
とりあえずとうぶんパフェはいらないかな。
あげくのはてに、トド松桜狂乱事件の傷がチョロ松くんに見つかってめちゃくちゃ怒られたというか、なんというか。
うん、聞かないで。
とりあえず怪我したらちゃんと手当てしないと....
うん。まぁ色々あったのね。
とりあえず、その日の業務ができなくなったのはゆうまでもない。
仕事を、最後までやりとげられなかったことが屈辱だ。
本当に屈辱。
「何をおっしゃってるんですか、鈴音様!」
ピシャリと松代さんに怒られる。
「あんな状態で仕事させてしまった松代の方が一生の不覚でございます!
それに加えて、メイド達の教育がきちんとできていなかったこと。
私の力不足でなんと謝ればよいか..... 」
あっ、やばいフラグ
これフラグ