第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
大広間でくつろいでいたチョロ松くんとトド松くんに声をかける。
「お祭り!?いくいく!ふふふっ」
嬉しそうに返事をくれるトド松くん。
少しは仲良くなれたみたい?
「僕も行くよ!」
本を広げたまま、にこっと笑うのはチョロ松くんだ。
それにしても、なんの本を読んでるんだろ?
「!!?みちゃダメ!」
ばっと本を隠される。
いったいなんの本を読んでるのか、そうされるとものすごく気になるけど....
「察してあげなよ、僕達だって男の子なんだから」
爽やかにウインクを飛ばしながら、とんでもないことを言い出すトド松くん。
「ちょっ!トド松!鈴音ちゃんが引いちゃうだろ!!!」
あ、うん、なるほどね。
「大丈夫チョロ松くん、チョロ松くんも男だもんね」
すすすっと数歩下がりながらそう言った。
「違う!違うよ鈴音ちゃん!ほんとだって!」
顔を真っ赤にして一生懸命否定するチョロ松くん。
か、可愛い....
私はとにかく純粋なものに(以下略)
「チョロ松くん、可愛い」
そう言って笑いながら、チョロ松くんの頭を撫でる。
「ちょ!僕、子どもじゃないんだから!」
赤い顔をさらに赤くするチョロ松くん、しまったつい。
「むー、僕にも!」
頬を膨らませながら、そういうのはトド松くんだ。
あざとい、めちゃくちゃあざとい
さすがあざトッティ。
「いや、今のはただついやっちゃっただけだか.... 」
言い終わらないうちに、ずいっと人間の汗と涙の結晶を目の前にだされた。
「....なんでもって言った」
....このやろう、まだ消してなかったのか