第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
「鈴音は十四松に、甘いよな」
ビールかき氷をぱくぱく食べながら顔を赤くしている馬鹿。
「.... 別に?そんなことないよ?」
大いにあります。
「レディ、その優しさを俺にもわけて.... 」
「十四松くん気に入った?」
「えっ.... 」
前から渡そうと思ってたんだけど、なかなか渡す機会がなかったから渡せなかった。
「うん!すっげー!!!嬉しいっす!!」
目をキラキラさせて喜ぶ十四松くん。
何回も何回も言うけど、私はとかく純粋なものに弱い。
弱いったら弱い。
「んで、イタ松もお祭り一緒に来てくれるんでしょ?」
私の一言に、いじけていたイタ松がぱあっと嬉しそうにする。
「....ふっ、仕方ない同行してやるとしよ.... 」
「あっ、来なくてもいいよ」
「行かせてください!」
こいつも純粋と言えば純粋なんだろうけど、あれだわ苛めていいほうのピュアさんってやつだわ。
「俺も行こっかなー」
ちょっと出来上がってる馬鹿が、割り込んできた。
「ならさ、もういっそ皆で行こうよ」
私の提案に三人はそうだなっと賛成してくれた。
お祭りか、そういや小さい頃行ったきりだわ。
ちょっと楽しみかも....