第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
するっと後ろから腰に腕がのびてきて、抱き締められる。
ハッとしたときには、口をおさえられたまま首筋をペロッと舐められた。
んっ、とくぐもった高い声が自分から漏れる。
「はい、鈴音死亡ー!ヴァンパイアなめんなよ?」
顔は見えないけど、得意気な顔でにんまりとしているのがわかる。
腹立つ!
「ふんふ!はふふやふへふほまふ!(くそが!放しやがれ馬鹿松!)」
口を塞がれているために、言葉がでない。
「なにいってるか、おそ松くんわかんないな?もっとわかるように言ってよー」
笑ってやがる、この馬鹿
腹立つ、このやろうやっぱりいつか殺してやる....
「あっれー?じゃあこれ誰ー?」
なおも目をおさえて転げ回っている誰かに、十四松くんは駆け寄る。
「うおおお!!清水が我が身を焼く!これは俺がレディを愛しすぎた罰だというのかぁ!」
あっ....
イタ松だわこれ
「カラ松兄さん、大丈夫?」
心配そうにする十四松くん。
こうなったきっかけをつくってしまったので、さすがに胸が痛いな。
ぐいっと馬鹿松の手をどかして、カラ松のもとにかけよって抱き上げる。
「間違えてごめん、カラ松平気? 」
心配そうにしたのもつかの間
「ふっ、この痛みもレディへの愛というなら.... 俺は喜んで受け止めてみせる」
目を赤くしながら言われても説得力などない
むしろ
痛い通り越して、サイコパス