第14章 祭り囃子と夏の終わりー前編ー
「わっふーーーい!!」
高らかに叫ぶのは十四松くん。
ところ構わず、水を発射しまくる。
「うわっ!十四松!お前それ!ぎゃー!」
すこしでも水がかすれば、ヒリヒリすることは必須だ。
それを目に当てられた日には、きっとおかしくなるだけではすまないだろう。
「あっははっ!!!鈴音ちゃん!この水赤い気がするよー!」
ごめんね十四松くん、君のピュアさを利用して。
心が痛いな.....
....後でとっておきのロリポップあげるね
「気のせいだよー!ほら?頑張って?私も頑張るから」
十四松くんがところ構わず発射するからちょこまか動き回る馬鹿松。
ふふっそうやって消耗しろ。
私が狙うのは一点だけだ。
Last Lady Standingは私だ!
....なんだろ、今何かしらのフラグを踏んだ気がする。
毎回毎回このパターンだ。
フラグを踏んだと思ったら、それは必ず的中する。
「鈴音ちゃん!」
大きい声で十四松くんに呼ばれハッとする!
狙うのはここだ!
海水よりも塩分濃度が高すぎる水を馬鹿松目掛けて発射した!
「ぐおおおおおっ!!目が目がぁぁぁ!!」
転げ回る馬鹿松!
よっしゃ!やってやったわ!
「鈴音ちゃん!スゲーーー!」
そう言って笑う十四松くん。
あぁぁ、なんか.... なんかな....
....やっぱり罪悪感あるわ。
「んー、ざーんねーん」
喜んでいたのもつかの間、真後ろから声が聞こえた。