第13章 バスタイムはアロマキャンドルとともに....
「あーーー!もう!なんでもいいから!早く風呂はいるぞ!」
こうなりゃもうやけくそだ。
バサッとTシャツを脱ぐ。
あっ安心して水着着てるから。
「えっ、あっ、脱ぐの!?」
んだよ!文句あんのかこんちくしょう!
半分自暴自棄になりながら、湯船につかる。
乳白色のお湯。
疲れが溶けてくみたいに気持ちい、が....
「.... 痛い」
首筋にお湯がつかれば、そりゃ当たり前のようにずきずきする。
少し顔をしかめていたら、湯船にトド松が乱入してきた。
「座って」
両手を広げられて意味不明なことを言われた。
絶対なにか企んでる、また血を吸われるなんてごめんだ。
「首.... しみるでしょ.... 僕の膝に座ったら湯が当たらないから」
あんまり申し訳なさそうに言うものだから、しぶしぶトド松くんの膝の上に座る。
くそっ、なんでこんなことに。
不覚だ。
そんなことを考えてたら、前に回される腕にビクッとする。
「なにも.... もう絶対なにもしないから.... 少しだけこのままでいさせて.... 」
弱々しい声でそんなことを言われたら、なにも言えない。
後ろからぎゅうっと抱き締められる。
弱々しい力、でも放してくれそうもない。
トド松くんの髪が私の背中をくすぐる。
「そんな落ち込むなら、最初からすんなよ馬鹿.... 」
ポツリとそう言えば、コクンと黙ったまま頷くトド松くん。
調子狂うわ本当に....
はぁっとため息をついた後に今日はありがとうっと呟けば、ぎゅうっと抱きすくめられた。
とんだ悪魔だわ本当に....
なんて思いながら、そっと目をつむる....
あまりの気持ちよさにそのまま意識を手放した。