第13章 バスタイムはアロマキャンドルとともに....
はぁっと甘い吐息が浴室に響く。
するっと私から放れる腕。
やっと解放された。
「馬鹿.... トド松の馬鹿やろう.... くそが」
気を許した自分がいけなかったんだ。
やっぱりこいつはただの腹黒モンスターだ。
「トド松なんて、トド松なんて、嫌いだ!」
私の叫びが浴室に響いた。
こんなやつ大嫌いだ....
せっかく、仲良くなれるとおもったのに....
ぴちゃんっ
水滴の音が、静かに浴室に響いた。
「はっ!?」
大きな瞳からつうっと一筋涙を流すトド松くん。
「僕は....ごめん.... 」
泣いてる、なんで?
これって私が泣かせたの!?
後味が悪すぎる。
「....あーーーもう!いいよ!わかった!許す!許すから!泣くなぁ!!」
私の一言に、うんとうなずいて何も言わなくなった。
なんなんだ!?ほんとーに!!てゆうか、これたぶん男女逆じゃない!?
「....流さないと.... 」
ぼそっとそう言って、シャワーをひねるトド松くん。
「熱く.... ない?」
やめてぇ!私がなんか悪いことしたみたいになってんじゃんかぁぁ!
てゆうか、そこはちゃんとするんだ。
真面目か!くそ真面目か!
「....ありがとう」
流し終えた後に、すっと立ち上がるとフラッとした。
「!!?危ない!」
ばっと支えられる。
いや半分以上こいつのせいな。
「.... ごめん、僕のせいで」
素直に謝られると、なにも言えない。
歯がゆい、歯がゆすぎる。