• テキストサイズ

【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....



「十四松には.... なにも言うなよ.... 」

おそ松は俺を睨み付ける。

「それは、約束する.... だがな、お前一人で抱えきれる問題じゃないだろ?これは....」

差出人は、わかっていた。
俺とおそ松に深い傷をつけたそいつを....

何百年たっても忘れることはない....


「俺は....ダメだな.... カラ松.... 」

バサッとベッドに身を投げながら、左腕で顔を隠すおそ松。

「結局、また守れなかったんだ.... 家族一人守ることすらできないなんて..... 長男失格だ」

ぼそりと呟く言葉に、ふうっとため息をひとつつく。

「おそ松、お前一人で抱え込みすぎなんだ、もっと頼ってくれてかまわないんだぞ?」

その言葉に、ふっと笑って答える。

「なーにいってんの?俺は皆のお兄ちゃんなのー、頼れなくてどーすんの?俺は皆が幸せになれればなんだってすんだよ.... 」

今回はできなくて、逆に傷つけたけどな.... と力なくつぶやく。

こういう性格だから、ちょっとでも隙あらば入り込んで助けないとダメなんだ。

「馬鹿だよ、お前は救いようのない馬鹿だ」

「んだよ、イタ松ー」

全く目を離すとすぐ無茶ばかりする、だから救いようのない馬鹿だといっているんだ。

「カラ松ー、タバコなーい?お兄ちゃん葉巻がいーなー」

「病人でタバコ吸うやつがあるか」

真面目になったと思えばふざけて、隙をつくらないところもまた悪い癖だ。 

「....サンキューなカラ松」

ぽつんと一言俺の胸に言葉が届けば、何故か歯がゆくなる。

もっと助けてやれたらいいのにな....

今回は十分みたいだが....

すすり泣く誰かの声を胸にしまおう....
ぱちんとおそ松に気づかれないように、そっと防音の結界を張った....
/ 682ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp