第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
「十四松兄さん!よかった!本当に.... 」
声が聞こえた。
涙ぐむトド松だった。
「....トッティ.... 彼女は....? 」
僕はぼうっとした頭でトド松に尋ねる。
「無事だよ、傷一つついてない.... 」
ベッドからゆっくりと起き上がる。
そっか.... よかった....
「十四松兄さん、ずっと寝てたんだよ?僕心配で心配で気がきじゃなかったんだから!皆心配してたんだよ!」
じっと潤んだ瞳で見つめられる。
本当に心配かけちゃったみたい。
「ごめんね、トッティ.... 」
僕はにぱっと笑う。
トド松に心配をかけないように。
「そうだ!十四松兄さんが目を覚ましたの皆に知らせてこなくちゃ!一松兄さんなんて、ずっと十四松兄さんについてて逆に倒れちゃったんだよ!」
にこっと笑って、扉に手をかけるトド松を僕は引き止めた。
「トッティ.... 僕の.... お願い.... きいて?」
僕がトド松に話をすると、トド松は暗い顔をする。
本当にそれでいいの?って凄く悲しそうな顔で僕に聞いてきた。
僕は黙ってうんと頷く。
これでいいんだと、自分に言い聞かせながら....