第3章 紅い唇は背筋を凍らす
「あんたなんか、大っ嫌い」
強い瞳をしたままそんなことを言われた。
俺が女を誘ったら、みんな噛んで噛んでって群がってきたのよ?
これマジで
まぁ一人例外もいたけどさ....
それなのにさ....
かすかに俺の中にざわざわと広がる感情。
この女.....
欲しい....
「.... いいよ、俺はお前が好きだし」
耳元で囁く
「とびきり痛くしてやる.... 」
白い首筋をペロリと舐めれば、小さな可愛らしい声が耳に届く....
ほんとたまんないわ....
ギャラリーがいることを忘れて、おもいっきり噛みついた。
ガリッッッ!!
「あ!ああああぁぁぁぁ!!!!」
逃げようとする小さな体をしっかりと抱き抱えたまま、鋭い牙を突き立てる。
抉るように、わざとグリグリと牙を深く深く突き立ててやれば漏れるのは可愛い悲鳴。
甘い甘い血の味、こんなに美味しい血を味わったのは久方ぶり
もっともっとと牙を柔らかい首筋に沈める。
いきなり、悲鳴がピタリと止んだ。