第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
「働きたいだって!?」
チョロ松兄さんが、ばさっと書物を落とした。
「じゅ、十四松!どうしちゃったの?!悪いものでも食べたの?!それともどっかに頭ぶつけた?!僕が治してあげるからいって!!」
わたわたと取り乱しながらチョロ松兄さんは、僕のあちこちを見てまわる。
「違うよ?チョロ松兄さん?」
僕の回答に顔面蒼白になるチョロ松兄さん。
「十四松!嘘だ!ぜっっっっっったい嘘だ!そうか!熱か!熱だね!ほら早く寝て!!」
大慌てで、体温計を持ってきて口につっこまれた。
「熱.... じゃない?.... ということは.... 奇病!?!」
えらいこっちゃえらいこっちゃと走り回るチョロ松兄さんを横目に、僕は彼女のことを考えてた。
あんな仕事してるんだから、きっとお金に困ってるんだ....
僕が、僕がきっと....
助けてあげる!
「十四松!!この薬全部飲んで!!!」
持ってこられた薬は山のよう。
僕は、そうだ!と思って、チョロ松兄さんに言った。
「わかった!これ全部飲んだら僕にお小遣いちょうだい!じゃないと飲まないっす!」
「何いってんの!?十四松!!?やっぱり病気!!?!奇病!?不治の病!?!なんでもいいから全部飲んでーー!!」
僕は言われた通り、お薬を全部飲んだ。
途中で面倒だったから、カプセルとかは噛み砕いた。
もちろん、ちゃーんとお小遣いももらったよ!
すごいでしょー!!