第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
彼女と出会ったのは遠い遠い昔....
リーンゴーンリーンゴーン。
大きな鐘の音が響く。
「うっへぇー、うるさいうるさい煩いよぉー!」
大きな時計塔の上に、僕はいた。
石畳と石と石と石と石と石ととりあえず石造りの町!
最近こっそりと屋敷から抜け出しては、こうやって外の世界をここから見るのが僕の日課だった。
「よし!よいしょー!」
取り出したのはクリケットのラケット
このたかーいたかーい塔の上からこうやって素振りするのが僕のお気に入り!
「じゃあ今日も頑張りマッスル!マッスル!」
ブンブンと素振の回数を増やしてく
ちょうど雪が降ってきてたから、雪を狙いつつ素振する!
「12670、12671、12673!いよっいしょー!」
僕は何となく下を見つめた。
なんだろー
すっげー、すーすーする。
「ぼうえっ!!」
何故か、僕の居たところに床がなくなってて気がつくと空中に浮いてた。
正確には落ちかけていた。
あれぇ?僕床があるとこにいたのになぁ
そんなことを思っていたら、ひゅーんと下に落ちてく。
「危ないー!!!!」
ガシッ
落ちていく僕のその手をつかんでくれたのが....
彼女だった....