第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
黄色いバスタオルで十四松くんを包む。
何だかんだで、バスタオルを出すことに成功した。
「鈴音ちゃん!くすぐったいよぉー!」
頭をわしわしさせながら、有無をいわさず十四松くんをタオルで拭く。
拭くったら拭く。
「ちゃんと拭かないと風邪ひいちゃうから、ちゃんと拭きなさい!」
本当に自分が親になったんじゃないかと錯覚してしまう。
「あい!」
返事はいいんだけど、実際に拭いているのは私だ。
あと、目のやり場に困る。
いくら服が濡れてるとはいえ、まっぱだかはちょっと....
あんまり見ないようにしながら、ふき終わった。
「十四松くん、服を......服を着ようか?」
「なんで、なんでー?」
あぁもう!
天然過ぎるのもなぁ....
でも!くそう!
いうものか、いうものかいうものかー!
「どーしたの?鈴音ちゃん?」
あーーーー!もう!可愛い!
「十四松くん、私から全部見えてるけど恥ずかしくないの?」
その一言に、ぷしゅーっと頭から湯気を出して急いでバスタオルで体を隠す十四松くん。
やることなすことがいちいち可愛い!
可愛すぎるわ!
何回可愛いって言えばいいの!?
ダメだ。
とにかく私は十四松くんに弱いらしい。