第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
舞い飛ぶ黒い皿
転げ落ちる私
私は思った。
ブーツなんて二度と履かねぇ!と....
「鈴音ちゃん!!あぶなーーーーい!!!」
大きな声が私の名前を呼ぶ。
そして
バッシャァァァーーーーーン!!
「つ、冷てええええぇぇぇぇ!!!」
水しぶきが、かかってものすごく冷たい。
今確実に勘違いしたとおもうけど、私が湖に落ちた.... わけではない。
断じてない。
「オオうぃ!スウウゥゥイーーーツッ!」
ドバッシャーンと派手な音をたてながら、清んだ湖から出てきたのは、他でもない十四松くんだ。
そう正解は、十四松くんが湖に飛び込んだ、だ。
ちなみに私は、何故か無傷だ。
そして何故か草原にちょこんと座っていた。
「鈴音ちゃん?へーき?」
顔の上半分だけみせ、ぶくぶくと水中から空気の泡をつくりながらこちらを見つめてくる。
「全然へーきだよ?それよりも十四松くんのほうが大丈夫?」
その言葉に、ざぱっと両手をあげて水から上半身をだした後に
「平気だよ!全然平気!僕は平気!平気だよ?平気だってば!平気平気平気平気」
ケタケタと笑いながら連呼する十四松くん。
「いやそれ、逆に平気じゃないように聞こえるからね」