第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
サクッ
小さな草の音に、黄色いパーカーの人物はこちらを向く。
「誰?」
あんまり綺麗な声だったから、聞き惚れてしまった。
それにしても、これくらいの小さな音をよく聞き分けたな....
十四松くん絶対人間じゃない....
あっいやたしかに人間じゃなくて、ヴァンパイアだけども
そうゆうことではなくて....
あのほら、宇宙人的な?
説明が難しい。
「!?!鈴音ちゃん!?どーーしたの?!」
両手をばたばたするたびに、黄色くて長い袖がぱたぱたと揺れている。
「3時のおやつーー!」
少し遠めの所からそう言えば、大きく口をパカッとあけて笑う十四松くん。
「やったぁぁぁぁ!!おやつだぁぁぁぁぁ!」
「そっち行くねーー!!」
嬉しそうに跳び跳ねている十四松くんのもとに向かう。
それにしても、大の大人(きっと私よか何百年も生きてる)がおやつ1つでこんなにおおはしゃぎするなんて....
どうしよう、子どもを持った親の気持ちがわかる。
つーか可愛い。可愛すぎるわ。
ズリイッッ....
そんなことを考えていたためか、草むらに足をとられて横転する。
何が起きたかまったくわからない為に、こうなった瞬間の第一声がこれだ。
「ふなぁっっ...!! 」
マヌケか!