第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
それにしても、空が青いな....
広い広い空は雲一つなく
ただ草原と空が果てしなく続く世界....
「空ってこんなに青かったんだ」
ぼうっと空を見つめながら、一歩、二歩と歩いていく。
さくさくと小さくなる草の音が心地いい。
吹き抜ける風がなんども頬を撫でると、この世界に溶けてしまいたくなる。
とっても爽やかで心地のいい世界のはずなのに、何故だか悲しくなる。
手に持ったままのお皿の感触が、そんなことを考えている場合ではないと現実へと戻す。
「それにしても、ここ何処まで続いてるんだろう」
話はかわるけど、十四松くんなら野球場だとかレスリングのリングだとかそんなとこにいそうだと思ったのに....
あたりを見渡しても、そんなものは皆無で
本当にここにいるのか十四松くん
なんて考えながら、ひたすらに歩く
馴れないブーツのせいか、とんでもなく歩きにくいけど....
時計もなにもないから、時間がわからなくなっていく
なんだろう、わかんない
わかんないけど
なんでか凄いこの場所が怖い
綺麗な場所だ
綺麗な場所なんだけど....
世界に一人置き去りにされてしまったようなそんな感覚になる。
「怖い.... 」
お皿を持ったまま、その場で叫ぶ。
「あーーーー!くそったれ!どこじゃここーー!」
響く声、その声がなりやめば何処からか歌が聴こえてきた。