第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
「わかった、ありがとうチョロ松くん」
にこっと笑ってそう言えば、チョロ松くんが頬を染める。
「アルも待っててくれてありがとう、はい、これはアルのおやつね?」
ハート型の小さなお皿にはいった、イチゴとバナナをアルの前に置く。
そんな光景を見ながら
「....僕、今日はいっぱい頑張れたかな?」
ポツリと言葉を落とすチョロ松くん。
「うん!すっっっっっごい助かった!本当ありがとう!」
本当、本気と書いマジぐらいに助かった。
「じゃあ、もう一つご褒美もらってかまわない?」
もちろんと微笑むと、私の目の前すっと現れるチョロ松くん。
「じゃあ.... もらうね?」
ちゅうっと小さなリップ音がしたかと思うと、すっと離れられる。
顔を真っ赤にしてうつ向くチョロ松くん。
キスされた頬にそっと手を当てて、チョロ松くんを見つめる。
「こ、こ、これくらい.... なら.... いい..... かな?」
あきらかに動揺しているチョロ松くんが、可愛くてたまらない。
「ぼ、僕いく、いくね!」
そう言って、左足を小刻みにカンカンとうちならす。
本当....
ピュアと男の人の落差が激しすぎて....
ついていけなくなる....
そんなことを思いながら、呆然と十四松君用のミルフィーユを眺める。
にゃー!
アルの一声にハッとする。
と、ともかく十四松くんのところにいかないと!
バシンと両頬を叩いて気合いをいれた後に、お皿をもち。
カンカンと左足を床に打ち付けた。