第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....
「「できたー!!」」
にゃーー!
キッチンにチョロ松くんと私、そしていつのまにか戻ってきたアルの声が響く。
何とかティータイムに間に合った。
ヤバかった、ガチでヤバかった。
黒い六つのお皿に並ぶミルフィーユ。
苺の入っているのは馬鹿松。
カスタードと生クリームが交互に入ってるのがイタ松。
抹茶味のクリームに小倉をいれたのがチョロ松くん。
ブルーベリーを添えてるのが一松くん。
バナナが入ってるのが十四松くん。
桃が入っているのがトド松くんのだ。
ここまでやっていると、さすがにバテてくる。
「お疲れさま鈴音ちゃん」
くたあっとなっている私に、笑うのはチョロ松くん。
「おそ松とカラ松と一松とトド松のは、僕が届けにいくね」
そう言って、左の人差し指をくいっとあげると、5つの皿が宙に浮く。
「ありがとうチョロ松くん、でもなんで十四松くんのだけ?」
こんな事を言うのもあれだけど、十四松くんのも一緒に持っていってくれても差し障りないはずだ。
「あぁ.... それは」
チョロ松くんはくるりとこちらを向き直して、私を困ったような顔で見つめた。
「この間、鈴音ちゃんがおそ松に血を吸われた時に一番心配してたのは十四松なんだ。だから.... 」
困ったように笑うチョロ松くん
優しい気づかいだ。