第10章 ミルフィーユは抹茶味で
「よし!カスタード固まってきた!もうちょいか.... 」
カスタードをさらにかき混ぜる。
よし!トロトロになってきた!今だ!
冷たいバッドに移して、冷凍庫に放り込む。
「こっちは、材料全部いれて混ざってるよ」
シュクセの生地も完璧だ。
やるなチョロ松くん....!
「後は絞り器でだして、形を整えて焼くだけだよ!」
ウキウキしながら、鉄板にクッキングシートをひろげる。
「3、4本くっつけて、4から5センチくらいの長さにするの」
にゅるーっと白と黒い斑点のある生地を絞り出せば、紅茶の香りがする。
「鈴音ちゃん、すっごい楽しそうだね」
私の作業をみて、ウズウズしているようなのでかわってあげる。
「じゃあ僕はこっちかな?」
そういって取り出したのは茶色い生地。
「え!?それなにをいれたの?」
「ふふっ.... コーヒー、美味しいかなって」
ワクワクしながら生地を絞り出すチョロ松くん。
本当に楽しそうにするから、見てるこっちもワクワクする。
「上手くできるかな?」
オーブンを160度にセットして、7分から8分程度待つ。
カスタードはもうちょっと冷やしとこ....
ふうっと一つため息をつけば、そっと差し出された紅い色したグラス。
「はい、お疲れさま、アイスティーでよかったかな?」
差し出されたグラスを受け取って、にこっと微笑むとチョロ松くんの頬が真っ赤に染まる。