第10章 ミルフィーユは抹茶味で
カスタードの材料を鍋に二つともいれて、ゆっくりとダマにならないようにかき混ぜる。
「鈴音ちゃん?こんなもん?」
そういわれて見せられたのは、完璧なメレンゲ。
....メレンゲって作るの結構難しいんだよ。
「ちゃんと角がたってるし、完璧!」
ニコッと笑えば、よかったって笑うチョロ松くん。
「あっそうだ、ミキサーで紅茶の茶葉を細かくして欲しいんだけどいい?」
「これにいれるの?」
メレンゲを見せながら首を傾げるチョロ松くんに、そうだよと笑う。
「うん!そう、あっアーモンドパウダーと紅茶入れるときはきるように混ぜてね?混ぜすぎちゃダメだよ?」
普通に料理してるんだけど、何故だかとんでもなく楽しいのはどうしてかな?
「....鈴音ちゃん」
名前を呼ばれて、鍋をかき回しながらチョロ松くんの方を向く。
「楽しいね?」
そういって笑われれば、同じ事を考えていたんだと嬉しくてうんと小さく頷いた。