第10章 ミルフィーユは抹茶味で
沸々と鍋が煮たってくると同時に、ぱちんと火を止める。
「鈴音ちゃん、卵白はどうしようか」
その言葉に横をみれば、黄色い液体の入ったボールをチョロ松くんがかき混ぜていた。
「それ?」
「ん?小麦粉と砂糖と卵黄混ぜてる。もうちょいかな?」
すでに計り終えて、次の工程に進んでいる作業。
ヤバイ、できる人だ。
「あれ?作ってるのってクレーム・パティシエールだよね?」
なにそれ!?
「あっ.... カスタードクリームの別名だよ」
ニコッと笑われる。
ヤバイ....
この人.... プロか?
「そ、そうなんだ、うん!合ってる合ってるよ」
料理まーまーできるなんてほざいてすいませんした。
「あっ卵白はシュクセにしようと思うんだけど.... 」
そういうとチョロ松くんは首をひねってシュクセってなに?と聞いてきた。
「んっとね、アーモンドパウダーとメレンゲのクッキーだよ」
そういいながら、鍋を火からおろす。
「わかった、じゃあ僕はメレンゲを作ればいいんだね?アーモンドパウダーと砂糖の量は何グラム?」
そういいながら、材料を計り始めるチョロ松くん。
「両方とも卵白と同じ分量をいれて」
そういうと、わかったといいながら手際よくメレンゲを作り始める。
ヤバイ
めちゃくちゃ助かる。
料理知識はもちろん、手際のよさ、次どう動けば捗るかをちゃんと考えてる。
たぶん、メイド軍団より何倍も仕事できると思う。
チョロ松くん、メイド.... は無理だけど執事の才能があるかもなんて思った。