第10章 ミルフィーユは抹茶味で
「か、可愛い.... よ?.... 鈴音ちゃんは世界で一番可愛い.... 」
真剣にそんなことを言うものだから、反論なんてできるはずない。
「.... あ、ありがとう」
ニコッと笑った瞬間に、頬にビリっと小さな痛みがやってくる。
はぁっと小さな吐息
突然の事だったので、目をまんまるくしているとそっと頭を撫でられる。
「....うん、やっぱり鈴音ちゃんの血は美味しいや.... 」
うっとりとした顔
あんなに純粋ピュアピュアだったのに、いきなり男の人の顔になる。
つうっとそのまま頬を柔らかい舌で撫でられれば、んっと小さな声が出る。
「....声も.... すっごい可愛い」
ドキンドキンと煩くなる心臓が、たまらなく恥ずかしい。
.... って
ダメだダメだダメだ!
なにこれ!これじゃ!少女漫画とかのあれじゃん!
きゅんきゅんするシーンじゃんよ!
頭をぐるぐると回しながら、ぱっと時計に目をやる。
「!!ティータイム!!!!」
大声で叫べば、ビックリして目をまーるくするチョロ松くん。
「ダメだよ!用意!ヤバイ!仕事!!!」
うわわわわぁっ!となってる私を落ち着けるチョロ松くん。
「だ、大丈夫!ほら!僕も手伝うから!」