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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第9章 メイドは冥土を統べる



言葉を失なっているアザゼルの頬にそっと手をそえて、ニコニコと笑うトド松くん。

「ねぇ?お仕置き必要なの?」

オーキッドピンクの光が見え隠れする。

「そうだ、アザゼル?君も僕と同じで人間が嫌いだったよね?」

アザゼルの頭をよしよしと撫でながらそんな事をいい放つ。

「僕がお前の性欲を引き出して、真っ裸にして、人間のクズの掃き溜めのところへ放り出してみようか?」

狂気を孕んだ言葉が、空間を冷たく支配していく。

大粒の涙を無言で流すアザゼル。
静まり返るギャラリーは、ゴクンと唾を飲み込む。

チョロ松くんが止める様子もない。
ただ冷たい瞳で、他のメイド達を睨んでいる。

ヤバイ....
止めなきゃ....


「まって!待ってよ!トド松くん!誤解、誤解なの!」

くるりとこちらを振り返るトド松くん。
危ない時ほど頭は速く動く。

「転けたの、私が転けそうになってそれでね?ベルフェゴールが私を庇おうとして、爪がかすって.... あ、あんまりコミカルな動きだったからついアザゼルが笑っちゃってね」


あぁ....
頭の回転が速くなるのは嘘、今回はそうでもないみたい。


「つまりは、誰も悪くないって言いたいの?」

誰でもわかりそうな嘘に予想外の返答をするトド松くん。

「そ、そう!そうそう!正解!大正解!」

無理に笑顔を作りながらそう言って笑った。
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