第9章 メイドは冥土を統べる
おもむろにテーブルクロスの端と端を持ち上げる松代さん。
ん?これってまさか....
「3、2、1、とうりゃぁぁぁあ!!」
気合いをいれた声とともに、テーブルクロスがテーブルから消える。
陶器でできたお皿が、コトンと鈍く小さな音を立てるもそれだけでほとんど動いてはいない。
堺●章がお正月とかにやってたあれだ。
テーブルクロスひき....
それにしても見事すぎる。
あんまりの出来事にあんぐりと口を開ける私。
ふと上をみるとイタ松テーブルクロスがぶわっと宙を舞っている。
しゅばっ!ぱんっ!ぱしゅっ!
空気を切る音が聞こえたと思うと、小さく畳まれたイタ松テーブルクロスが松代さんの左手にぱしんと落ちてきた。
開いた口が塞がらないんだけど....
なにこれ、どこのマジシャンなの?
あれなの?メイドってここまで出来て一人前なの?
「さぁ、朝食に致しましょう。」
にこっと笑いながら、可燃ゴミとかかれた袋に容赦なくイタ松テーブルクロスを投げ込む松代さん。
イタ松....
扱い酷いな....
人のこと言えないけども....
ともかく....
「で、でわいただきます!」
両手を合わせていざご飯!
お腹空きすぎて死にそうだったしね!