第9章 メイドは冥土を統べる
「美味しそう.... 」
サワラの塩焼き、ネギと豆腐のお味噌汁、納豆、ホウレン草のおひたし、卵焼き、海苔、赤かぶの漬け物、切り干し大根
....和食、超絶なる和食。
しかも、がちで美味しそうなやつ。
いや、うん和食は好きだよ。
日本人だしね、でもねこんなきっちりした朝食なら和室でいただきたかった。
こんな完璧なる和食の朝食を、ピンクピンクした甘ロリ全開の部屋で食べるってどうよ。
しかも、置かれてるテーブルは白いロココ調のやつ。
それならまだいい、それなら!よくないけど我慢はするよ!
問題はテーブルクロス。
「あの、すっごい美味しそうで、素晴らしいんですがテーブルクロスだけが物凄い不愉快でたまらないんです。」
遠慮がちにいう。
初対面だし、でもねこれは耐えられない。
だって....
イタ松柄なんだもの!
なにこれ、誰得よ!
テーブルクロス全体に描かれたイタ松、イタ松、イタ松、イタ松!
嫌がらせにしては、朝からキツすぎるわ!
なにか?イタ松中毒かなんかか?!
気にするなって言われてもこれは気にするわ!
「いえね、私もカラ松坊っちゃんに流石にイタいから止めておきなさいと忠告はしたんですけどね.... 」
松代さん直球過ぎるだろ!てかじゃあなんでこれにした!主人の名誉守ってあげて!
「まぁ、とにかくお任せください、鈴音様」
にこりと笑う松代さん
何する気なんだろう。