第2章 夜に舞うのはコウモリ達
「....ねぇ?なにしてんの?」
一生懸命に指をパチンパチンしてたら、後ろから一松くんに呼ばれた。
他の兄弟はまだ、お話し中らしい
「え?あっいやクッキー出せないかなって」
「....クッキー?食べたいの?てゆーか自分で出そうとしたの?」
「うん!この家、不思議魔法の家なんでしょ?だから」
でも、いくらやったってでないんだよなぁ
指の鳴らし方が悪いのか?
「....なにそのネーミングセンス、あっもうだめ.... ふっふひひ.... 」
何故だかわかんないけど、一松くんのツボにはまったらしい。
なんか腹立つけど、こうなったらクッキーを出すまで終われない今日この頃だ。
「....ん」
一瞬だった、一瞬で猫型のクッキーが数個目の前に現れた。
「....食べないの?」
呆気に取られる私、今どうやったの?
でもそんなことよりも、せっかくだしてくれたんだから食べよう。
猫型の紫色が閉じ込められたクッキーを1つ口のなかに放り込んだ。
「ん!美味しい!ブルーベリージャムだ!」
「ふーん、そんなにうまいんだ.... いつも失敗するのに.... 」
危ないうえに、気になる発言を残す一松くん。
「いつも失敗すんの?」
むぐむぐとクッキーをほおりこみながら、幸せな気分に浸る。
「....力が、上手く加減できないから」
ポツリと言葉を溢す。
「でも、あんたさえいたら.... 」
「いーちーまーつ?」
真後ろからおそ松の声が響いた。
「抜け駆けはよくないんじゃない?一松兄さん」
にこにこと笑うトド松くん。なんか、後ろに黒いものが見えて怖いんだけど。
「でさ、鈴音ちゃんどうやったら俺達がヴァンパイアって信じてくれる?」
唐突におそ松に聞かれた。