第8章 猫は紅い血に染まる
「.... 我慢できない」
ぼそりと耳元で呟かれる言葉が、私の体を小さく跳ねさせる。
つうっと首筋を舐める一松くん、にやっと笑って私を見つめる。
「ねぇ.... 血も、初めても、僕に捧げなよ」
いつのまにか股間に感じるのは、今まで感じたことがないくらいの熱
くちゅくちゅっとソレで自分の胎内への入り口をなぞられる。
ぞくんっ....
バイオレッドの瞳が私を捕らえる。
どこか切なげで、悲しそうな色....
そっか....
怖かったんじゃない、恐ろしかったんだ。
儚げに消えそうな刹那、今ここで捕らえなければもう二度と自分の目の前には現れないような気がして....
消えられるのが、こんなに恐ろしいと感じるのは何故?
「....いいよ、そのかわり.... 」
消えてしまう前にどうか....
「悲しい時は、私を呼んでよ」
心の底で願うのは、誰なんだろう?
私?それとも?
考えれば考えるほどに頭に痛みを伴う
「....鈴音」
消えそうな声で私の名前を呼ぶ一松くん、そっか今悲しいんだね....
「....いいよ、吸いなよ 」
優しく、できるだけ優しく微笑んでそっとボサボサの髪を撫でる。
「....好きだ」
低い低い声が耳に届くと同時に、私の入り口にめりめりと一松くんの熱が入り込む....
「あっ.... くうっっ」
一松くんの熱と質量が大きすぎて壊れてしまいそうになる....
息が止まってしまいそうな痛みが全身を駆け抜けた。