第8章 猫は紅い血に染まる
くちゅっと音がする。
「ひゃあっっ」
耳元で奏でられるのはいやらしい水音と、荒い息遣い。
目を隠したまま、一松くんは空いた手で私の服を少しづつずらしていく。
ちゅっと首筋にキスをおとされてまた声が漏れる。
「....少しだけ背中あげて?」
優しく言われればいう通りにしたがってしまう。
そっと滑り込むように入り込んだ冷たい手が、私の胸を締め付けているものを奪う。
ぱさっと音がして、それが下に落ちていくのを音で感じた。
「....綺麗だね」
その言葉に両手でそっと自分を抱いた。
「恥ずかしいんだけど、そんな見ないでよ」
視界を覆われていてなにも見えないけど、きっと一松くんの瞳には全部見えてるんだ。
「....まぁ、別にいいけど」
えっ?と思っているとするっと冷たい手が足に伸びる。
「こっちを見るだけだから」
下着を横から絡めとられる。
するすると音でもなるんじゃないかと思うくらいスムーズに降りていく。
「あっ.... だめっ.... 」
止めようとして手探りで手を伸ばせば、乳首に違和感を感じる。
暖かくて、ぬるぬるしている感触。
「んんっ!やぁっ!」
きっと一松くんは舌で私を弄んでる。
「あっ!酷い.... よ」
そんなことを言えばピタリと動きを止められる。
「....なにが?」
口に含んだまましゃべるのはやめて欲しい....