第8章 猫は紅い血に染まる
「一松くん.... 私を.... 抱いて.... 」
その言葉に揺れる瞳....
ニヤリと口角をあげているのに、どうしてそんなに切ない瞳をしてるんだろう。
「....鈴音、好き.... 」
耳元でそっと囁かれる。
言葉が途切れる前に、黒い闇にとさりと押し倒される。
ふあふあの感触がまた私を包む。
「ごめん、僕さ優しくできる自信ない」
そっと頬に手を添えられれば、冷たい冷たい一松くんの感触が伝わる。
不安げに揺れる瞳
頬に添えられた手を握り返して、にこりと微笑んだ。
その瞬間、唇を奪われる。
優しいキスと呼べるものじゃない、貪るように確かめるように深く深く口付けられる。
「んっ.... ふうっ.... ふか.... い.... よぉ.... 」
唇を舐められ、歯をなぞられて、なんて乱暴なキスなんだろう....
でも
嫌いじゃない
嫌じゃない
欲しくて、欲しくてたまらないを伝えられているようなそんなキス
はぁはぁと荒い息遣いが、心拍数をあげる。
一松くんと目が合えば、瞳の色がかわっていた。
「僕はもう我慢しない、やっとみつけたんだから.... 」