• テキストサイズ

【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第8章 猫は紅い血に染まる



「一松くん... 」

鈴音の消え入りそうな声が耳に届く。

「鈴音、もう.... どこにも行かないで.... 」

オレの目の届く所にいてくれればもうそれでいい....

オレの事を忘れても、鈴音は鈴音だ。

「なんで、そんな悲しい顔してるの」

酷く歪んだ顔が、鈴音の瞳のなかに写りこむ....

嘘をついている。
本当はそれだけじゃ我慢できない。

でも....
でも....

悩みや苦しみで息のできない海底から突然引っ張り出される。

「.... んっ.... 」

初めは何をされたのか全然わからなかった。

奪われる思考....


柔らかい感触、ラベンダーのシャンプーの匂い、さらさらの髪、暖かい手のひら....

その全てがオレを包んだ。

目を見開き、鈴音を見つめる。
あの時、オレの後ろを歩いていた少女はもういない。

オレの目の前にいるのは、美しくなった愛しい女だ。


鈴音はオレにキスをした....
/ 682ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp