• テキストサイズ

BLEACH お題消化1

第4章 十八、白昼夢



 満流と白哉の背後から,義経が盆に切子の湯呑みをを載せてやってきた。
「朽木隊長。うちの隊長,気が利かなくてすみません」
 冷えた麦茶が供されるとともに,座布団を持ってこられた。白哉は短く礼を言うと座布団の上に座り直す。
「だって白哉がいいって言ったんだもん……そうだ,ついでに足浸す桶も持ってこさせようか?」
「結構だ」
「なんだよ,涼しい顔して。暑いだろ?」
 笑いながら白哉の手を取った満流は,すっと真顔になる。
「え,手熱っつ。君大丈夫?」
「汗をかかない体質なのだ」
「それってあんまりよくないよ。おーい九十九くん,濡れ手拭い持ってきて」
「要らぬ」
「まあまあ,気持ちいいよ」
「そういう兄は,ひどく汗をかくようだが」
「あー……ちょっとね,あんまり体調良くないから」
「はい,朽木隊長,それと隊長の分も」
 用意の良い副官から,二本の冷たい手拭いを盆に載せて寄越される。満流はそれで自分の顔を拭うと,濡れ手拭いを首に巻いた。ついでに手拭いに手を伸ばそうともしない白哉の代わりに,残り一本を手に取ると,勝手に広げて白哉の首に巻き付けた。常に首回りに付けている紗が,手拭いの重さに負けて潰れている。
「……要らぬと言っている」
「まあまあ。家主のもてなしを受けるのも貴族の役目だろ」
「……お心遣い,いたみいる」
「ぶふっ,白哉お前,そういう野良くさい恰好,本当に合わないな」
「……」
 心なしかむくれたような顔を見せる白哉に笑って,満流は庭に目を戻した。
「ルキアちゃん,可愛いねぇ」
「……」
「君さ,ルキアちゃんをどうするつもりなの」
「……どうする,とは」
「あの子,可愛いじゃない」
「何が言いたい」
「ああやって太陽の下で,泥んこになって遊ぶのが似合う女の子だよ。いつまでも大きなお屋敷に閉じ込めておいたら勿体ないじゃない」
「……」
「いやあ,水着も似合うだろうなあ」
「……兄」
「肌が白いから,青なんかも似合うだろうな。こう,細い手足がすらりと」
「兄」
「朽木家にある?水着。なんだったら僕が買って」
「兄」
「ごめんって。怒るなよ」
 お前本当,妹と妻のことになると心狭いのな,と満流が独りごちる。
/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp