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BLEACH お題消化1

第4章 十八、白昼夢



 霊圧を消した気配が横に並び,満流は顔を正面に向けたまま,視線だけを投げた。
「白哉」
 瀞霊廷の零番隊隊舎,広い庭を前に縁側に腰掛けていた満流の隣に,白哉が静かに立った。
「座布団,奥にあるから取ってきたら」
「構わぬ」
「そんなところで突っ立ってると,ルキアちゃんにばれるよ」
「……」
 白哉が何も敷かずに縁側に座ると,満流は笑って,きゃあきゃあと歓声の上がる庭へ視線を戻した。
「悪いねぇ,貴族様に座布団の一つもお出ししないで」
「構わぬ」
 うだるような暑さなどものともせず,白哉は相変わらず涼しい表情をしている。髪をあげ,死覇装の裾を捲りあげて,水の入った桶に両足を浸している満流は,額を流れる汗を拭った。
「暑いね」
「そうだな」
 会話は長く続かない。白哉は満流の目線を追う。
 零番隊の隊士たちとルキアが,庭先にホースとビニールプールを引っ張り出して,大騒ぎしながら遊んでいた。ホースの先を潰し,所構わず水を撒いているのはすずめ。水着でビニールプールから盛大に水を零しながら遊んでいるのは蓮,その隣ではほのかが体を縮めて座っている。悟は何かをやらかしたらしい虎次郎を,ドロップキックで池に叩き込んでいた。非番のルキアは普段着の上に悟から借りた襷をかけているが,高価そうな着物は泥と水を被ってしまっていた。
「みんな元気だねえ」
「そうだな」
「ルキアちゃん,借りて悪かったね。何か用?」
「いや,何も」
「じゃあどうしたの?可愛い妹が貴族らしからぬ振る舞いをしているんじゃないかって,心配して見に来たの?」
「そのようなことはない」
「そう?まあ多めに見てあげてよ」
「当然だ」
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