第2章 戸惑い
十四「あ、おかえり!!」
おそ「おいトド松~。」
トド「何?」
おそ「俺女の子のことよく分かんないからパス。」
トド「は!?」
おそ「髪の毛絡まりまくってるし、ボロ雑巾みたいな服も捨てたからなんか着せてやって。俺達の中で一番小柄だろ?」
トド「小柄じゃなくてスリムなだけだから!?」
無いと思ったら捨てられてたのか…。
おそ「オナシャース!」
トド「クッソ長男が…」
『…あの、』
トド「ん?」
『私大丈夫なので…』
トド「…一生タオル1枚で過ごす気?無理でしょ。こっち来て。」グイッ
『あっ』
そのまま腕を引っ張られ、この人の部屋だと思われる所に連れて来られた。
ピンク色の物をたくさん身に付けているけど、部屋の中もピンク色の物が多い。ピンク色が好きなのかな?
トド「とりあえず今はこのロングTシャツでいいか。これに着替えて。」
とクローゼットの奥をゴソゴソと探りながら淡いピンク色のシャツをポスリとベッドへ投げた。
『すみません、ありがとうございます。』
―(トド松視点)―
トド「いいよ。それ全然着てないしあげる。」
他にも何枚か必要になるかもしれないけど、とりあえず今はそれを着てもらおう。
実はこのシャツ…部屋着に使ってたら兄さん達にクソダサいって笑われたからそれ以降着づらくなっちゃったんだよね。丁度良かったかも。
『…あの、』
トド「ん?あぁ…ごめん。あっち向いてるね。」
『すみません』ゴソゴソ
まぁ、全部窓に映りますけどね。ジッ
トド「…。」
窓に写る彼女の身体には無数の痣と傷があった。
そしてろくに栄養が取れていないのか少し骨ばっている。
最近までどんな扱いを受けていたのかは一目瞭然だった。
『ありがとうございます。』
トド「ん、ちょっと大きいけどワンピースみたいで丁度良いじゃん。次は髪の毛どうにかしてあげる。」
『へ…?』
トド「ボクの愛用してるヘアオイル使ってあげる。今回だけだからね?」
本当は兄弟でさえ自分の美容品は使われたくないけど…
あまりにも酷い有様で見るに耐えない。
普通女の子の髪の毛はふわふわサラサラしてて良い匂いがするもんでしょ?マジでありえない!
『本当に大丈夫ですっ…!』
トド「良いから!ハイ座って!!」
『っ!?は、ハイッ!』