第2章 戸惑い
おそ「うるせぇな~。どうせ奴等の仲間じゃなくてどっかで拾われた子だって。」シュボッ
そう言いながら彼はソファに腰を下ろし煙草に火を付ける。
正解だけど何故分かったんだろう。
十四「なんで持って帰って来たのー?」
おそ「んー…なんとなく?」フゥー
『…?』
彼らの顔を見渡した瞬間、私は何か違和感を感じた。
『!?』
よく見るとここにいる6人の男性は全員同じ顔をしていた。
おそ「そんな所で立ってないでこっちおいでよ。コイツらそんなに怖い人達じゃないよん。」
同じ顔が6つ並んでいる時点で既に怖い。
『…ぁ、こ…こんにちは』
同じ顔から一斉に視線を向けられ、身体が硬直する。
チョロ「ふーん。挨拶はできるんだ?」
十四「てかこの子ガリガリだね!!痣いっぱいあるよ!!」
おそ「今日殺した奴等に玩具にされてたんだろ。」
一「で…おそ松兄さんの玩具にすんの?」
『…。』
おそ「やめろよ一松、怯えてんじゃねーか(笑)」
一「違うの?」
おそ「んー、家事とか掃除やらせれば良いんじゃない?良かったな雑用松!仕事が減って。」
トド「誰が雑用松だ殺すぞ…!?」
チョロ「えぇー…使用人雇うつもりなんて無いよ?そんな事にお金かけたくないし。」
おそ「別に雇わなくていいじゃん。」
チョロ「マジかよ。」
おそ「タダで飯食えて寝る所もあんだから充分でしょ。ね?」
『…え、』
おそ「じゃ、今日からよろしくね!えーっと名前なんだっけ?」
『…愛です』
チョロ「まだ知らなかったのかよ!」
トド「…君、料理とか掃除できるの?」
『は、はい…』
おそ「愛ちゃん、とりあえずお風呂入ってきなよ!その様子だと当分入らせてもらえなかったんでしょ?」
『いえあのだいじょ』
おそ「良いから良いから!」ガシッ
『ヒッ…!』
肩を力強く掴まれたあと私は半強制的にお風呂場へと連行された。
おそ「はい。ここが浴室だから覚えといてね。もちろん俺らもここ使うから、そこんとこよろしく!」
『…分かりました。』
逆に私が使っても良いのだろうか…
おそ「じゃあごゆっくり~。」
そう言って彼は脱衣所の扉をパタンと閉めた。
『…ありがとうございます。』
勢いに流されすぎて頭も心も追い付いていないが、とりあえず身体を流すことにしよう。