第4章 初めてのおもてなし
なるべく速く出来上がる、腹持ちの良い料理を考えた結果、私はパスタを作ることにした。
棚にストックしてある麺が大量に残っていたのも理由の一つ。
あとは簡単なサラダとスープを付けよう。
45分後―
『すみません、お待たせしました…!』
おそ「おっ、結構はやく出来たんだな。」
十四「何これパスタ!?良い匂いするー!!」
一松「へぇ…見た目は悪くないね。」
カラ「美味そうだな。いただきます。」
チョロ「確かに美味しそう。」
おそ「いただきまーす!!」
十四「いただきまーす!!…うんまァーーー!!!」
トド「どれどれ~?…悪くないじゃん。」
一松「…。」モグモグ
カラ「思ったよりデリシャスだな!」
おそ「愛ちゃん!料理できんじゃん~!」
『ありがとうございます。すみません、簡単なものになってしまって…。』
結構不安だったけど、皆の反応を見ると悪くないみたいでホッとした。
チョロ「うん、美味しいね。結構たくさん作ってくれたみたいだしありがとう。」
カラ「ん、自分のぶんはどこだ?」
『え?私… あ。』
思いっきり忘れてた…。
おそ「ブハッ…!しょーがないなぁ、俺のぶんちょっと食べなよ。」
『いいいいえ!大丈夫です!』
とんだ間抜けなミスをしといて人のご飯なんて奪えない!!
おそ「え?いっぱい作ってくれたし遠慮しなくていいよ?」
『本当に、今日は食欲が無くて』グルルルル…
素晴らしいタイミングで私の身体から空腹の音が鳴る。
おそ「…。」
一「…ブフッ!!ベタ過ぎない…?」
『ちが…違うんです。』
間抜けなミス。間抜けな音。
恥ずかし過ぎて今すぐにでもこの場から離れたい。
きっと馬鹿な奴だと思われてる…。
十四「でも愛ちゃん、栄養摂らないと!!」
と十四松さんがパスタを別のお皿に分けてくれた。
『…。』
この人…なんて優しいの?
不意打ちの優しさに思わず固まってしまう私。
十四「いらないの?」
『…あっ。いえ、本当にすみません!ありがとうございます!』
トド「ボクもダイエット中だから半分あげる。」
『えぇっ…』
結局、皆から少しずつ分けてもらってしまった。
お腹が空いていたからか、久しぶりに食べたパスタはとても美味しかった。