第2章 2.うちの子です
「あ、キャベツ…」
また見た。
「ん。ソース…」
まただ。
「粉…」
ほら、また。
スーパーにいる数々の女性人が、
二宮くんとすれ違うたびに振り返って見る
「ちょっと、さっきから何なんですか」
『え?…ん?』
急に前にいた二宮くんが止まるから、
ついぶつかりそうになった。
「お好み焼き嫌ですか?」
『嫌じゃ、ないです。』
「そう。じゃあ何ですか?」
そんなに見つめて言われたら、
別に言いたくなくても言いそうになる。
「ご主人様には従順ですから、
安心してくださいよ」
その二宮くんの発言に驚いてしまった。
だって、ご…ご主人様って…
『なに、その呼び方』
「俺、犬っぽいんでしょ?
だから、俺はあなたの愛犬なの」
『な、なるほど…』
「ほら、レジ行きますよ?」