第3章 3.寂しがり
現在、AM11:09
「ん…じゃあ俺、帰りますわ」
『え、あ…そう』
そう言って席を立った二宮くんの服の裾を
思わず掴みそうになってしまった。
なんか、急に寂しくなって…
「お姉さん、明日も仕事でしょ?
まぁ、俺も学校とバイトですけど…」
『…うん…』
ちょっと酔ってるから、抱きつきたい
なんて衝動にもかられる。
「ま、隣ですから…」
って、なんだ…そうなのか。
きっと二宮くんも寂しいんだ
別にそういう感情とかいうのじゃなくて、
楽しかったから、名残惜しい。
『おやすみなさい、二宮くん』
「ん。おやすみなさい、お姉さん」
そう言ってボヤけた二宮くんは、
食器を片付けて部屋から出ていった。
おやすみなさい。私の子犬