第29章 29.重なる手-二宮side-
出会って、もう5年が経つ
3年目の春に結婚式を挙げて、
のお腹には俺の子供もいて、
「また来て、お腹とか大丈夫なの?」
待合室で待つの横に座って、
そのお腹を優しく撫でた。
『平気だよ。元気だもん
それに私、検査で来てるんだからね?』
そうそう。言っておくけど、
この人、俺に会いたいとか思ってないから
ここで産むから検査に来てるだけ、
「まぁまぁ、そこは素直にね?…ね?」
『はいはい…でも、会いたかったよ』
そんな不意打ちの言葉にドキッとする。
やっぱり俺はどこまでも年下だ。
「キスしてぇ…」
『はぁ!?…だ、ダメだから!
絶対カズ止まらなくなって大変だよ?』
「…ですよねぇ」
一年の辛抱だ。と思ったけど、
結構これもキツいわけで…
『じゃあ二宮先生、行きますね』
そう言って立ち上がるの腕を俺は優しく掴んで止めた。
「俺も行きますよ」
『え、でも……』
「今はただの二宮和也なんで、
あなたの旦那のね?」