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隣の家の二宮くん

第24章 24.二宮くん


いつのまにか涙が溢れてて、

いつのまにか彼の腕に包まれてた。




「ふざけんなよ…まじで……」


『っ…なんで……っ……』


「なんではこっち!
なんで自分のこと考えないわけ?人のこと考えてばっかでそんなの何も楽しくもないですよ」





二宮くんの抱きしめる力は強くて、
あたしも彼を強く強く抱き締めていた。







『二宮くん……っ……好き』


「んなの知っとるわ……ばーか」


『っ……でも……あたし……っ……』


「俺も好きですよ。
一度も忘れることなんてできなかった。


あなた以上の人なんてね、いないんですよ
だからより素敵な人はいないの」





『っ……うぅ……っ……ごめん…なさい』





「もう、謝んないでよ……いいから…」






体が離れたと思ったら次は二宮くんの唇があたしの唇に触れて重なってきた。






〈11時発~パリ行き〉





「……行かないでよ」



『……行かないと…仕事だもん』



「でも、俺どうすんのよ」



『大丈夫だよ。2ヶ月だよ?
二宮くんは良い子だから待てるよ』





涙を拭きながらそう言うと、二宮くんの目が完全に点になっていた。





『ん?』



「……は?2ヶ月?」
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